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治療用装具

こんにちは、海月いおりです。

今回は治療用装具として短下肢装具を作成した時のお話をします。

短下肢装具とは、ひざから下の関節を補助して、立位や歩行のサポートを行うためのものです。

短下肢装具とひとまとめに言いましても、障害の程度や足の具合によって様々な種類が存在します。

装具は患者の足を石膏で型取りをして作成するオーダーメイド商品。作成するに至るまでに、整形外科の医師に診察をしてもらい、装具を装着した方が良いと認めて貰うことが必要となります。

ナタ君の場合は足首が柔らかく、理学療法で歩行訓練を行っても立位が安定せず倒れることが多かったので装具を作ることになりました。装具を装着することで足首を固定させています。

この装具を装着することで足に掛かる負担が軽減し、何もない時よりは立位や歩行が安定します。

装具はオーダーメイドなので、医師の許可が下りたら義肢装具士さんが病院に来られ、そこで採寸・採型をしてもらいます。

もはや未知の世界。

どういう流れかも想像付かずにナタくんのご機嫌取りをしていると…。

義肢装具士さんが手際よくナタくんの足を測り、ビニールを巻いてガーゼを巻いて…その上から石膏を塗って採型をしていきます。

す、すごい…と感心していると、自分の足に違和感を覚えたナタくんが「う~~んっ!!!」と怒った声を上げ始めます。

やばい…と思い声かけをして宥めていましたが効果は無く…。

看護師さんにオモチャや動画を用意して貰って、どうにかご機嫌取りをしました…。

石膏が固まるのに少し時間を要しますが…ナタくんに「良い子に待ってね」は通用しないので参りました。

終わった後の疲労感が凄かったです。

後日、再度整形外科受診の時間。

装具のモデルが出来たので足を合わせますということでした。

簡易的に作られたモデルはナタくんの足にシンデレラフィット。

ナタくんの足を型取りして作っているのでフィットするでしょ…と思われるかもしれませんが。その様子を見て義肢装具士さんって凄いと私は感じました。

サイズ感も問題なかったので、手直しせずに製作に取り掛かっていただくことになりました。

オーダーメイドの装具は、足を覆う部分とベルトの部分でそれぞれ色が選べますと言われました。

好きな色を選んで下さいと見せられた色見本はなんとカラフル…!

こんなに選択肢があるのに今ここで色を決めなければならないというプレッシャーに押され、私はありきたりな色を選びました。

足を覆う部分は濃い青、ベルトは水色です。

色を選んでから約1か月後に連絡が入りました。

「装具が出来ましたよ~」

病院に行って出来上がった装具を確認すると、小さな装具が可愛いこと…!

選んだ濃い青と水色のバランスも良く、ナタくんにお似合いな装具が出来上がっていました。

しかしナタくんには可愛さなんて関係ありません。

ベルトで固定されるので窮屈感があるのかもしれませんが、最初は非常に嫌がりましたね。

履かせても装具が気になって仕方ない感じで、そのうちマジックテープを剥がすようになりました。

マジックテープ剥がせるなんて!!と喜びもありつつ、剥がされる悩みもありつつ…

装具を履いて歩けるようになった頃には剥がす仕草も無くなり、今では『履くのが当たり前』になっています。

因みに、作成した装具は室内用となります。

外に出る時は装具の上から履くことができる大きいサイズの外履きもあると教えて貰ったので、同時に購入しました。

こちらは市販品です。

履くとこんな感じです。

医師の診断を受けて処方箋が処方される装具を「治療用装具」と呼びます。

この治療用装具は保険適用になるので、保険組合から7割と角福を持っているので市町村から3割の補助が出ます。

病院なら保険証と角福の提示で手続きをしてもらえるのですが、装具を製作する会社は医療施設に該当しませんので、事前に実費を支払う必要があります。

その後、診断書や領収書、装具の写真などを添付して保険組合と市町村に申請を出せば、お金が返ってきます。

ナタくんのオーダーメイド装具と市販の外履き靴は、合わせて16万前後かかりました。

日本の医療制度に感謝です

今回は治療用装具についてのお話でした。

実はナタくんの装具を作る際も、きっかけを作ったのは私です。

理学療法士さんに「ナタくんも装具を作ることはできるのか」と聞いたことが全ての始まりでした。

医師の診断が必要なので、保護者が「作りたい!」と思って作れるものでもありませんが、知識として覚えておけば「うちの子に装具は使えるのか」と有識者に聞いてみることはできますので、参考になれば幸いです。

障害福祉器具の種類によっては身体障害者手帳を持っていないと補助が出ない(もしくは購入すらできない)こともあるのですが、こちらの装具は身体障害者手帳が無くても製作できました。

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